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Hiroshima Mon Amour / ALCATRAZZ ~ TAB付き解説
今回は、ALCATRAZZ のデビューアルバム「No Parole from Rock ‘n’ Roll」(1983年) から、「Hiroshima Mon Amour」の演奏をお届けします。
ALCATRAZZ について
Rainbowの参加などで、すでに知名度のあったVo.のGraham Bonnetを中心に結成されたグループです。ご存じの通り、 Gt.のYngwie Malmsteen はオーディションに通ってこのバンドでメジャーデビューを飾っています。
デビューアルバムの「 No Parole from Rock ‘n’ Roll」(1983年) では、Rainbowを意識した曲、サウンドになっており、あからさまなオマージュなども見られるものの、 当時なんと20歳のYngwie Malmsteen のギターワークで作品のレベルを数段階引き上げている印象です。私はリアルタイム世代ではないので当時の衝撃を知る由もないのですが、このアルバムを聴いたHR/HM系ギタリストの多くは驚いたでしょうね。
本アルバムでのメンバーは次の通りです。
- Graham Bonnet – Vo.
- Yngwie Malmsteen – Gt.
- Gary Shea – Ba.
- Jimmy Waldo – Key.
- Jan Uvena – Dr.
さて、このALCATRAZZ、なんと2020年7月にアルバムを発売予定だそうです。前作から34年ぶりらしい(笑)VocalとBassとKeyが上記オリジナルメンバーで、Yngwie後任だったSteve Vaiの提供曲があったりImpellitteriがゲスト参加するなど、話題に事欠きません。
Hiroshima Mon Amour- Playing analysis and tab
ALCATRAZZデビューアルバムに収録の「Hiroshima Mon Amour」ですが、本アルバムの中では「Jet To Jet」と並ぶ人気曲のようです。ギター演奏に関しては、この年齢、この時代ですでにYngwie のスタイルを完全に確立しているのに驚かされるばかりですね。
早速、私なりに解説してみます。
TAB譜1(tuning: Regular)
TAB譜をclick!(TAB譜は100%正確とは限りません)
![](http://musiclife.xxxx.jp/wp-content/uploads/2020/04/hiroshima-mon-amour_1.jpg)
イントロから始まるギターソロです。 Yngwieはキメフレーズ以外は基本アドリブのため、符割が不規則です(譜面にするのには苦労させられます・・・)。上記の符割も大体合っているかとは思いますが、あくまで最後の音に向かう流れを捉えて弾くことが大切かと思います。
また、上記の3小節目、私は1弦を下っていくラインを取りましたが、本人はTAB譜1-2のように14~17fのポジションで弾いているかもしれません。
TAB譜1-2
![](http://musiclife.xxxx.jp/wp-content/uploads/2020/04/hiroshima-mon-amour_1-2.jpg)
個人的にはTAB譜1のラインが弾きやすいんですけどね。皆さんはどうでしょうか。
TAB譜2
![](http://musiclife.xxxx.jp/wp-content/uploads/2020/04/hiroshima-mon-amour_2.jpg)
Bハーモニックマイナーフレーズです。比較的メカニカルなパターンで、いわゆるキメフレーズに近い印象です。最後のB音に着地するため、フレーズの最後に音を詰め込んで帳尻を合わせている形です。
また、Bハーモニックマイナーを決定づけるA#を2弦11fにしていることで、4~2弦は11、12、14fと同じ運指で弾ける形になっていることもポイントです。これによってスピードアップがしやすくなるわけです。このブログでも過去に何度かYngwie曲の解説をしていますが、良く出てきますよね、この形。
上昇時はエコノミーピッキングでもいいかもしれませんが、私は何となくオルタネイトで弾きました。ピッキング指定はあえて入れていないので、お好みでどうぞ。
TAB譜3
![](http://musiclife.xxxx.jp/wp-content/uploads/2020/04/hiroshima-mon-amour_3.jpg)
最後はバッキングで言いたいことが2つあるので取り上げました。
まず1つ目、2小節目のGコードとDコードのボイシングです。おそらく、音だけ聞いてコピーすると、特にHR/HM系ばかり弾いている方は、どちらもパワーコードで弾いてしまいがちです。もちろん間違いではありませんが、ぜひこのTABのボイシングも使えるようにしたいところです。
Dコードでは、この形に6弦2fを押さえたD/F#コードも大切です(この曲のサビでも使っていますのでチェックしてみてください)。アコギ弾いている人にとっては初歩的なコードですが、一応触れておきました。
ちなみに、なぜこのボイシングで弾いたかというと、音の響きのニュアンスでこのフォームだと判断できたからです。アームのかかり具合もヒントになって、GコードもDコードも開放弦を含んだこのフォームで弾いていると判断できました。よ~く聞いてみると分かるかと思います。
そして2つ目はリズムです。このバッキング、めちゃくちゃシンプルで簡単そうですよね。たしかに技術的には初心者でも弾けそうですが・・・
B5に挟まれてA5コードが弾かれていますが、おそらく、多くのプレイヤーはA5の音価(音の長さ)が短くなり、結果2拍目裏のB5コードがやや突っ込みがちになると思います(・・・えっ、私だけですかね・・・)。
これ、ミディアムテンポだから結構気になるんですよ。曲と合わせて弾いてると気がつきにくいです。試しに、自分で弾いたプレイを録音して聞いてみてください。録音を聞くとき、バッキングの音はオフにして自分の音だけにするとよく分かるかと思います。
このA5を正しい音価までギリギリに伸ばしてB5にチェンジする。これって実は、それなりに高難度です(私の演奏も数カ所は若干突っ込んでしまっています)。
自分は正しいリズムで弾くことができるか、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか!(リズムに強い人や、スタジオワークに慣れているような人は簡単なんでしょうけどね)。
使用機材とサウンドメイク
今回使用したギターは Fender Custom Shop MBS 1963 Stratocaster Dale Wilsonです。このブログで出てくるのは初でしょうか。次の記事で紹介しておきます(詳細はこちら) 。
弦はいつものダダリオ0.95~0.44、レギュラーチューニングでセットアップです。
アンプはAtomic AMPLIFIREを使用(詳細はこちら)。
Atomicのアンプタイプですが、今回もFreedman BE、キャビネットはRedwirezのMARSHALL 1960Aを読み込ませています。アンプブロックの前にはCLEAN BOOSTをかましています。クリアなストラトサウンドのため、いつもより気持ちGainを下げてみましたがいかがでしょうか。
さて、演奏動画ですが、GW中にもアップ予定です。比較的近年の激し目の曲を取り上げる予定ですので、そちらも是非楽しみにしていただければ嬉しいです。
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