Song For Katie / Larry Carlton ~ TAB付き解説
(この投稿は,数年前に某SNSサイトで投稿した内容を加筆・編集したものです。動画は新録。)
今回はLarry Carltonの「Song for Katie」from「Sleepwalk(邦題:夢飛行)」(1982)です。
前2回がロック系でしたので,今回はちょっとかわいらしい,さわやかな曲調ですね。
ちなみにKatieはカールトンの娘さんだそうです。
Larry Carltonについて
さて,Larry Carltonと言えば「Larry Carlton(邦題:夜の彷徨)」(1977)収録の「Room 335」が有名でしょう。
メインギターがGibsonのES-335で,あだ名も「Mr.335」ですし。
しかし,個人的には今回の「Song for Katie」収録の「Sleepwalk」がお気に入りなのです。
まず,このアルバムで今までのカールトンの印象が少し変わります。それまでのアルバムより全体的に落ち着いた,大人しくなった印象です。
この傾向はその後しばらく顕著になり,全編アコギのアルバムも出したりしました。
ちなみにその頃はグラミーも受賞しましたし,銃撃事件に巻き込まれたり…(もちろんその後見事に復活)
今も現役で活躍する現代最高峰のギタリストの一人でしょう。
多くのセッションにも参加し,数えきれないほどの名盤の演奏クレジットに名を連ねています。
Michael Franksの「SLEEPING GYPSY」とかSTEELY DANの「The Royal Scam(邦題:幻想の摩天楼)」とか。
話が少しそれましたね。
このアルバムで変わった点,もう1つはVally Artsのギターを使い始めたこと。 EMGピックアップを搭載し,今までのサウンドイメージをガラリと変えたのです。
今回の「Song for Katie」のイントロがまさにこのVally Artsみたいです(ソロはおそらく335?)
次にカールトンのプレイの特徴をざっとまとめます。まぁ何でもできちゃう系の人なので,少しだけ。
まずはチョーキングですね。自他共に認めるチョーキングマスター!
ボリュームペダルと組み合わせたサウンドは絶品です。やっぱブルース、カントリーが好きで沢山弾いていたとのことですから…
あとはコードに対する強さでしょうか。
どんなコード進行でもメロディアスなアドリブを決めるあたりは流石!
難しいコード進行をこの人より緻密なラインでくぐり抜けるギタリストも多いですが、ここまでメロディアスなアドリブをするギタリストは希有なのでは??
今回取り上げた曲もかわいらしさの中にハッとする進行があったりして(例えば動画で2:19辺りからのソロの締め)素晴らしいです。
それよりも何よりもメロディアスなソロがアドリブとは信じられない・・・
あとイントロからのコードワークでしょうか…
ここ本人はどう弾いてるんでしょう??
本人のポジション,ヴォイシングがわからない以上ナゾですが…
ちなみに以前「わからん!」ってなった時,市販の楽譜を立ち読みしてみたのですが…
全く参考にならなかったと言っておきましょう(笑)
市販の楽譜はテキトーすぎるー(^^;)
(追記:つい先日,楽器屋さん行ったときにふと思い立ってこの曲の譜面を見てみたら,何と随分改善されてました。あのひどいのもう一回見たかったのに…残念笑)
そーゆーわけで結局自力で音を採っていきました。
ハンマリングやスライド音があればポジションやヴォイシングの特定に役立つので,そーいったことを総動員してこんな結果になりました。良い感じだとは思うんですけどね,真相は気になります。
耳がよい方,助言を(笑)
Song for Katie – Playing analysis and tab
今回も一部ですが,TAB譜で解説していきましょう!まずはAメロから(TAB譜1,TAB譜をclick!)。
TAB譜1
ポイントは6弦3fのG音。最初は薬指で押さえますが,1小節目1拍ウラで素早くポジションチェンジして,親指で押さえます。耳コピでは,すぐには気づけんかった…
なお,6弦はピック,2~4弦は中指+小指(薬指)で弾いています。ROCK命!な人も,指弾きができるようになっておくのは絶対プラスになります。
次は,minorのⅱ‐ⅴがMajorに解決している部分をピックアップ。まぁ,よくあるパターンですね(TAB譜2)。
TAB譜2
本来であれば,TAB譜3のようにD♭m7に解決するところです。
TAB譜3
TAB譜2とTAB譜3で,響きの違いを把握しておきましょう。きっといつか役に立ちます。
最後は,TAB譜2の続きで,ベース音がなだらかに下がっていくキレイなコードパターン(TAB譜4)。
TAB譜4
ここはCmとAmに半音上のmaj7からアプローチしていると考えるのがよさそうですね。CmとAmには11thを加えており,半音上のmaj7コードの3rdと共通音を作っていることにも注目しましょう。
さて,動画を撮るにあたって,繊細なプレイが要求されるので一発録りはかなり骨が折れました。
ハッキリ言って難しかったです。そうは見えないかもしれませんが…
使用機材とサウンドメイク
使用ギターはSTEINBERGER GM7TAで、以前このブログで取り上げています。
http://musiclife.xxxx.jp/?p=110(別ウィンドウで開きます)
アンプはFRACTAL AUDIO Axe-Fx ULTRA。
音色はギターのセレクターとRJMのMasterMindで切り替えています。
ソロはリアハム、それ以外はフロントとセンターのハーフトーンです。
Axe-FXのパッチは、珍しくプリセットを少しいじっただけのものを使っています。「Katie’s Song」という正にズバリ!のプリセットが最初から入っていたもので(^_^;)EQとか軽くいじっただけです。
ソロではこれぞフュージョン!といったサウンドが原曲で聴けますね。
Larry CarltonやRobben Fordを意識してパッチを作ってみました。
アンプタイプはFUSIONで、キャビは2×12 CUSTOMと4×12 25Wを使っています。
画像上キャビは1つに見えますけどね。
少し固めに作った方が、「らしさ」は出るかもしれません。