chant / fOURPLAY ~ TAB付き解説


6月中にupすると予告した通り,本日はfOURPLAYのChantを。この曲は2ndアルバム「BETWEEN THE SHEETS」(1993年)の冒頭を飾る曲です。

fOURPLAYについて

fOURPLAYはアルバム「fOURPLAY」で1991年にデビューした4人組。デビューと言ってもそのメンバーは以下の通り,長年活躍しているトップミュージシャン達によるスーパーバンドという感じです。
Bob James(Keyboards),Lee Ritenour(Guitar),Nathan East(Bass,Vocal),Harvey Mason(Drum)
うーん,思わず唸ってしまう顔ぶれ。なお,4thアルバムからはギタリストがRitenourからLarry Carltonに交代し,これまた話題を集めました。近年はLarryが脱退しChuck Loebが正式メンバーとして活躍しています。
(ちなみに,Larry Carltonについては以前に演奏動画をアップしています⇒http://musiclife.xxxx.jp/?p=239

これらのメンバーでどんなことするのかと思ったら,これ見よがしのテクニックは抑えたスムースなサウンドを展開し,1stアルバムはビルボード誌のコンテンポラリー・ジャズ・チャートで33週1位という大ヒット。凄腕メンバーが集まると,常人には理解しがたいマニアックなサウンドを追及し,売上に繋がらないというケースは稀によくあるので(笑),しっかりとヒットさせたあたりは流石というべきでしょうか。

Chant – Playing analysis and tab

さて,このChant。Chantには歌,聖歌,歌唱という意味がある通り,ベースのNathan Eastのヴォーカルが披露されています。淡々としたリズムから始まりますが,弾いてみるとこれが結構難しい(TAB譜1,TAB譜をclick!)。
注)TAB譜は100%正確とは限りません。
TAB譜1
chant1

なんてことなさそうでしょ?自分もそう思いましたよ,ええ。しかし,実際曲に合わせて弾いたものを聴きかえしてみると,びっみょーにリズムがずれるんですよねー。私の場合は,ハネている16分ウラをほんの少ーし早めに発音させてしまうクセがあるようでした(ハネ具合は曲によって異なります)。
ただ合わせて弾くだけでは,リズムがずれているかどうかわかりません。しっかり弾けているかどうか確認するには,やはり録音してみるのが一番良いと思います。

つい最近,友人のスーパーベーシストと会って話をしたんですが,結局のところ演奏で一番大事で,かつ難しいのは「リズム」だという結論になったんですね。まさにそれを痛感した次第です。しっかりとしたリズムを1曲5分程度でもキープすることって,本当に難しいんです。このような音数の少ない曲調だとなおさらで,自分のリズム感に残念な気持ちになります…とりあえず,この世界最高峰のリズム隊に合わせて,同じようなリズムで弾けるよう何度も原曲に合わせて練習しました。大変でしたが,とてもいい訓練になったと思います。

続いてサビのコードワーク(TAB譜2)。
TAB譜2
chant2
ポイントは音を伸ばす長さ。結構やりがちなのが,音を短く切り過ぎること。気を付けましょう。かといって,だらだら音を伸ばしてはこのリズム感は浮き出てこないです。適切な長さを保ってから左手を浮かせて音を切ってください。この音の長さは,譜面上では正確に表すことができない(と思われる)ので,とにかく良く聴いて,何回も弾いて,感覚を掴むといいでしょう。速弾きの完コピより,リズムの完コピの方がきっと自分のためになります。特にfOURPLAYは世界でも屈指のリズム隊ですから,是非音源に合わせて演奏して,同じようなリズムで弾けるまで練習してみてはいかがでしょうか。私も頑張ります…

ソロは音数も少なく,特別な音使いもしていません。是非耳コピしてみてください。F#のマイナーペンタに基づいたシンプルな演奏ですが,然るべきところに然るべきリズムで然るべきフレーズを弾くだけでこんなにかっこよくなるんです。私もそうなんですが,自分でソロを組み立てるときに小難しいフレーズを並べがちなので,気を付けないといけませんね(^^;)
ペンタトニックのポジションは基本ですから,下の5ポジションはマスターしておくのが良いと思います。
ポジション1
ポジション2
ポジション3
ポジション4
ポジション5

position 1とposition 4は弾きやすいし覚えやすいので,皆さん活用していると思いますが,その他のpositionもしっかり把握しておくと色々と役に立ちます。ちなみにTAB譜1はposition 2に基づいているのがよくわかると思います。
また,必ずRoot音以外の音も把握しておくと後々応用が利きます。どこがm3でどこが♭7で…などなど。
覚えるためには,上記ダイアグラムをにらめっこしながら練習するより,曲をコピーしたりアドリブしたりしながら覚えるのが一番良い方法だと思います。

あと,1:03~1:04のミュートによる効果音。原曲にはありませんが,キメ所だと思い,入れてあります。コツは,速すぎず,遅すぎず,各弦が均等になるように高音弦側からピックをはらう感じでしょうか。左手でミュートしています。こーゆー小技を良い音で鳴らせると,「おっ!?」と一目置かれるかもしれません(笑)スライドにもスムーズにつながるよう注意してください。

最後に!このような曲調ですから,演奏中は「リラックス」することを忘れずに。という自分も,リズムに気を遣って何回も弾いているうちにどんどん肩に力が入ってきたので,「あ,力んできたな」と思ったら意識的に脱力するようにしました。

逆アングルピッキング

私はロック系以外では逆アングルのピッキングになります。
理由は特にないんですが,ギターを始めた時から何故か逆アングル気味だったんですよね。ギターを始めて数年後,楽器屋の店員に「逆アングルは直した方がよい」というアドバイスをされて(←正しいアドバイスとは言えないのでご注意を),純真無垢な高校生だった私(笑)は「そうなのかー」と真に受けて順アングルに矯正したんです。
まぁその正しいとは言えないアドバイスのおかげでどっちでも弾けるんですが,逆アングルは順アングルに比べて音にダイナミクスが付けやすいと感じる一方で,速弾きには向かない印象です。
George BensonやJohn Sykesのように,逆アングルなのに凄まじい速さでバリバリ弾きこなすのを見ると,「あれは一体何なんだ?」と口をあんぐりさせながら,逆アングルでも速く弾けるんじゃん!みたいに感動したのは遠い昔です(私にはムリだけど)。

使用機材とサウンドメイク

ギターは以前に紹介しましたSuhrのSpace Ace。
詳細はコチラ⇒http://musiclife.xxxx.jp/?p=430
やっぱ最高です,このギター(見た目が)。演奏動画では初お披露目ですね。

Chantでは,リトナーは恐らくSadowskyのElectric Nylonを使用。艶やかな音を出しています。当然フツーのエレキではこんな音真似できないので,普通のクリーントーンで弾き通しました。アンプタイプはDELUXE VERB,CABは低音を出すために4×12 RECTO。以前に,Axe-Fxのクリーンのチリチリ感を何とかしたい!みたいなことを書きましたが,随分解消できています。Axe-Fxの音作りには,大学時代から付き合いのある天才肌かつ努力家,サウンドエンジニア兼マルチプレイヤーのK君にお世話になりました。ありがとうございます!

さて,自分で映像を見てみると,たびたび左手を指板から離してストンと降ろしていますが,コレはあんまり褒められた行為ではありません。本来は,ミュートやちょっとしたことにすぐ対応できるようちゃんと指板上,またはその近くに手があるべきだからです(持論ですのであまり鵜呑みにしなくてよいです)。今回は,さきほど述べた「リラックス」を心掛けていたら無意識に手を降ろしていたようで,やりすぎないようこれから気を付けようと思いました(^^;)

それではまた!

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