universe / DGM ~ TAB付き解説
今回は、DGMの「momentum」(2013年) から、「universe」の演奏をお届けします。
DGMについて
1994年にイタリアで結成されたメタルバンドで、結成メンバーの名前の頭文字からバンド名がDGMとなりました。当時中心メンバーだったギターのDiego Realiは、いわゆるネオクラ系のギタリストで、バンドもクサみのある良くも悪くもB級っぽい音楽性でした。誤解しないでほしいのですが、B級ぽいというのは悪口ではなくて(笑)旧メンバーによるアルバムも私は結構好きだったりします。Diego Realiは非常にうまいギタリストでしたし、かなり印象的なフレーズも多く、ネオクラ系と括ってしまうには少々もったいないな、と感じていたくらいです。
ちなみに、「MISPLACED」(2004)の日本版ボーナストラックで北斗の拳OP「愛を取り戻せ」をカバーしたことで、日本においてはその面ばかりがクローズアップされがちなんですよね(笑)
結成以降、度重なるメンバーチェンジを経て、2006年のDiego Reali脱退後はオリジナルメンバーが一人も残っていないという状態に。そんな中でしぶとく生き残ってくれてありがとう!!
2008年以降はメンバー変更もなく、より洗練された現代的な音楽性になっていきます(クサみが減ってしまったので、以前の音楽性の方が好きだという方もいるかもしれませんね)。
個人的には「momentum」(2013)と「THE PASSAGE」(2016)はとってもお気に入りで、メタル系の音楽の中では、私の好みにバッチリ合いすぎているくらいです。この手のバンドでは珍しく、メジャーキーを非常にうまく用いている印象で、カラフルでオシャレさすら感じる音作りになっていると感じています。
上記アルバムでのメンバーは次の通りです。
- Mark Basile – Vo.
- Simone Mularoni – Gt.
- Andrea Arcangeli – Ba.
- Emanuele Casali – Key.
- Fabio Costantino – Dr.
中心人物はギターのSimone Mularoni。すべての作曲からサウンドプロダクションまで一手に担っていると言うことで、現代的な音楽センスは彼の手によるところが大きいようです。
なんと新作制作中のようで、2020年中にはアルバムが発表されるかも!?期待したいところです。
universe – Playing analysis and tab
Simone MularoniはYngwie MalmsteenやSymphony Xに多大な影響を受けたと語っていますが、なるほど納得。ギタープレイだけを抜き取ってみると、たしかにその影響をモロに感じ取ることができる場面が多々あります。
早速、私なりに解説してみます。
TAB譜1(tuning: Regular)
TAB譜をclick!(TAB譜は100%正確とは限りません)
Eマイナーのイントロから、Bメジャーに転調しての歌い出しにおけるバッキング(ちなみにこの曲、ボーカルが入っているところはすべてメジャーキー、イントロやソロ部分のインスト部分はすべてマイナーキーになっています)。
8小節目の16分以外は全てダウンピッキングで弾き、6弦6fはヴィブラートを派手目にかけるのがポイント。8小節目の16分はそれまでの8分音符弾きからギヤを切り替える感じで思い切って弾く感じでしょうか。
TAB譜2
ソロ出だしのキーボードとのユニゾン→ハモリパート。3本弦のスウィープで、しっかり基本形とルートの位置を把握しておけば迷うことはないはず!
5小節目からはトライアドに1弦で1音加えていますので、それぞれコードトーンを把握しておきましょう。G♭では9th、E♭/Gでは4th、A♭mでは9th、Adimでは♭9thとなっています。
1~8小節目まではスウィープで弾くのですが、ピッキングパターンはあえて記載しませんでした。というもの、3弦をアップで弾くのかダウンで弾くのか、結構迷いどころだからです。私はゆっくり練習したときは3弦をダウンで弾いていたのですが、原曲テンポで弾いてみたら3弦アップの方が楽に感じ、そのように弾いています。3弦アップで弾く場合、その直後の2弦のダウンを外しやすいので、しっかり意識した方がいいと思います。
9小節目からはキーボードとのハモリで、ギターが下のパートを担当。ここ、非常にSymphony Xっぽいですね(笑)10小節目の3~4小節目はしっかり聞き取れませんでしたので、とりあえず辻褄が合うように弾いています。
11~12小節目のディミニッシュフレーズは、どのようなポジションで弾いているのか不明です。私はオルタネイトピッキングで1弦当たり2音のポジション取りとしましたが、それなりに難しいです(実際、私の演奏動画ではここで音を外している部分があります)。他のポジションでスウィープを絡めるなど、いくつか弾き方がありそうですので、研究してみてはいかがでしょうか。
TAB譜3
TAB譜2の直後、F#ハーモニックマイナーフレーズです。2小節目はYngwieらをはじめとするネオクラ系御用達、ペダルフレーズですね。2小節目1、2拍の1音目は1弦で弾くスタイルもありますが、私はTAB譜のように弾いています。3~4小節目もド定番過ぎるくらいのフレーズ(TAB譜で22や21が連続して見にくいですね…)。
TAB譜4
キーボードソロを挟み、転調してのギターソロ部分。Bハーモニックマイナースケールを弾いています(厳密にはF# ハーモニックマイナーパーフェクトフィフスビロウ、F# Hmp5↓とも表記)。
ネオクラ系の早弾きハーモニックマイナースケールに関して言いますと、ひとまずTAB譜3のような2、4、6弦に#7があるポジションとTAB譜4のような1、3、5弦に#7があるポジションを押さえておけば、経験的にあまり困らない印象です(笑)
使用機材とサウンドメイク
今回使用したギターは安心と信頼のJackson custom shop SL-1です(詳細はこちら→http://musiclife.xxxx.jp/?p=143)。
とても弾きやすく、6弦レギュラーチューニングでテクニカルなことをやるにはまず手が伸びる頼りになるヤツです。ただ、そろそろフレット周りをメンテする必要がありそう…
弦はいつものダダリオの0.95~0.44、レギュラーチューニングでセットアップ。
アンプはAtomic AMPLIFIREを使用(詳細はこちら)。
Atomicのアンプタイプですが、今回もFreedman BE、キャビネットはRedwirezのMARSHALL 1960Aを読み込ませています。アンプブロックの前にはCLEAN BOOSTをかましています。
最後に、旧メンバー達による北斗の拳OP「愛を取り戻せ」を紹介しておきます。日本語で歌っているし、何より楽しそうですね(笑)
それでは今回はこのへんで。
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