MILES OF MACHINES / JEFF LOOMIS ~ TAB付き解説


今回は、現Arch Enemyのギタリスト、JEFF ROOMISのソロアルバム「ZERO ORDER PHASE」(2009)から、「MILES OF MACHINES」の演奏をお届けします。

JEFF ROOMISについて

正直、私はJEFF ROOMISのことはほとんど知らなかったんですよね。SanctuaryやNEVERMOREというバンドに在籍していたそうです。2014年にArch Enemyに加入して、初めて名前を聞きました。しかも、私あんまりデス系聴かないので、Arch Enemyすらよく知らないという(ファンの方々、すみません)。

なんと、過去にはMegadeth加入を持ちかけられていたようですね。ちょうどこのソロアルバムを制作中だったらしく、お断りしたそうですが。

私がJEFF ROOMISの演奏を始めて聴いたのは、YOUTUBEの関連動画で何気なくクリックしたNAMMショーでの「MILES OF MACHINES」の演奏です。いや~、いろいろ衝撃でした。このご時世に80年代中期のようなギターオリエンテッド(死語か?)な楽曲とプレイ。「プレイは凄いけど、曲が微妙」というありがちな感じでもなく、素直にカッコいいと思ったので、早速アルバムを購入したんですよね。

本人も公言しているように、JASON BECKERのファンということで、JASONの1stソロアルバムの感じに近いかもしれません。

MILES OF MACHINES- Playing analysis and tab

さて、この「MILES OF MACHINES」ですが、個人的にはメロや展開含めて結構お気に入りです。テクニカル系ギターインストの1つの究極系かなー、と感じるくらい。

聴いてみて「めちゃくちゃ難しそうだけど、何とかなる…かな。挑戦してみるか」となったのですが、正直1カ所、弾けるかどうか自信ないところがありました(後述)。ということで、私なりに解説してみます。あ、TAB譜は7弦表記になっているので気を付けてください。

TAB譜1(tuning:Half Step Down)
TAB譜をclick!(TAB譜は100%正確とは限りません)
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イントロからの出だしのアルペジオ連続フレーズ。ここは6弦ギターでもチャレンジできます。結構ストレッチがキツイはず。1小節目、4弦の14fから9fとか。ネックを握り込まず、手をリラックスさせてください。

個人的に、4小節目のAメジャーのアルペジオが難関だと思います。あとは横移動が激しいので、ポジション移動に注意することですかね。

小指を使わずに素晴らしいプレイをするギタリストはプロにも沢山いますが、この曲に関しては小指は必須と考え、諦めてください(笑)。なお、指遣いに迷う所は、赤字で記しました。参考にしてください。

というかですね、実はこのTAB譜1の部分、YOUTUBEでご本人が解説している動画があります。

TAB譜2
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7弦にわたるDメジャーアルペジオ。5弦と7弦を弾くときが特に注意です。やっぱりストレッチ気味。というか、本人の映像を見れば分かるのですが、手がデカイ!ポジション移動は少ないので、TAB譜1よりは取り組みやすいかも。

後半のDiminish連続はありがちフレーズですが、ピッキングパターンがやや難しいと思います。

TAB譜3
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こちらも7弦用の譜例です。ゆっくり弾けばありがちなハーモニックマイナーのラインですが、慣れていない人は中指と小指の開き具合に違和感があるかもしれませんね。そして何より、ここまでスピードが上がるとなかなか厄介です。

TAB譜4
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こちらも、7弦を活用した低音ゴリゴリの攻撃的なリフ。このスピードだと、6弦飛びが曲者です。オルタネイトピッキングでノイズが出ないように気を付けましょう。

TAB譜5
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さぁ、やってきましたよ、最難関パートが。この曲を聴いたとき、大変そうだけど頑張って練習すれば多分弾ける、そう思っていました・・・このパートを聴くまでは。ここを聴いて「あー、これは無理かもしれんわー」と思ったのをよく覚えています(笑)実際練習してみたら、やっぱりここが最難関でした。

Eハーモニックマイナースケールのライン。スピードもそうですが、このフィンガリング、ピッキングって難しいのですよね。特に2弦と3弦を行ったり来たりするところ。ちなみに、これに近い動きは、SYMPHONY Xの「In The Dragon’s Den」のソロ入りでも出てきます。参考までにそちらもぜひチェックしてみてください。

なお、1~2小節目と5~6小節目は2弦で装飾音的なものも入れられています。五線譜の譜割をよく確認してください。この装飾音で、よりスピード感が演出されています。

譜例
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最後に、大事なリズムについて解説しておきます。

この曲は、8分の6拍子でスタートします。この8分の6拍子を、4拍子のようなフィールで感じるテクニックです。

8分の6拍子を2拍子のようなフィールで感じることは難しくないでしょう。「タンタンタン / タンタンタン」を「タァァ/ タァァ」のように感じればOKです。譜例の1小節目を2小節目のように感じるだけです。すると、1小節に2つの音符が同じ長さで入りますので、意識を2拍子のように持って行けるはずです。

さて、2拍子のように感じられたらその1拍それぞれを2等分してください。すると、8分の6拍子の1小節に、4等分の拍子を感じることができます。譜例の3小節目ですね。慣れてしまえば、こんな手順を踏まなくてもすぐにリズムの感じ方を切り替えることができるようになります。

このようにタイムフィールを自在に感じることができるようになることは、とても大事なことです。実際、この曲でも8分の6拍子と4拍子のフィールは混在しており、例えばTAB譜3は8分の6拍子ですが、今解説した4拍子フィールで弾かれていると解釈できると思います。この部分や他のいくつかの部分で、バスドラが4拍子フィールになっていますしね。

3拍子の1小節に4つの音を等間隔で入れることも、これと同じ考えでできますね。ぜひやってみてください。

使用機材とサウンドメイク

今回使用したギターは、MUSIC MAN Majesty 7 Starry Nightで、詳細は後日ブログに書きます(追記:書きました⇒http://musiclife.xxxx.jp/?p=1465)。
今回の演奏では、ダダリオの0.10~0.59、半音下げチューニングでセットアップ。

アンプはAtomic AMPLIFIREを使用(詳細はコチラ⇒http://musiclife.xxxx.jp/?p=1257)。

Atomicのアンプタイプですが、歪みはFreedman HBE、キャビネットはRedwirezのMARSHALL 1960Aを読み込ませています。アンプブロックの前にはCLEAN BOOSTをかましています。あとはGEQで調整。ですが…録音された音を聴くと、思った以上に高音が出ていました。この荒々しい感じも嫌いではないですが、この曲の録音後にTREBLEとPRESENCEを下げたことは秘密です(笑)

今回も自分のギターの音量を大きめにしています。通しで弾ききるのは予想通り大変でした。ミスもありますが、いつも通りアテフリなしのPlay Throughなので、ご容赦を。お楽しみいただければ幸いです。

では今回はこの辺で!

Twitterはこちら

(2018.5.27追記)
TAB譜5に少々誤りがあり、差し替えました。

(2018.10.9追記)
5月にアップしていた動画は、Atomic AMPLIFIREのキャビネットが切れていたことが判明。どーりで音が変でしたもんね…気付いてはいたんですが。
もう一度録り直す気力もないので(笑)、以前の録音データをSONAR付属のTH3でキャビネットに通した音で動画を新たにアップしました。演奏内容は変わりません。

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